Wikipediaの偽情報、いくつあるか誰にもわからない? 192
巧妙 部門より
Wikipediaの最も治りにくい問題、巧妙に混入された偽情報を検出するのがほぼ不可能ということについて、The Washington PostのCaitlin Dewey氏が長い記事を書いている。Dewey氏の調査はWikipediaに記事が10年近く掲載されていたオーストラリアの神「Jar'Edo Wens」について、そのような伝承が存在しないことが判明したところから始まる。Wikipediaを批判するGreg Kohs氏が30本のWikipedia記事に対して細かい偽情報を追加し、半分以上が2か月以上にわたって発見されなかったというWikipediocracy記事にも言及。Wikipediaのアクティブな編集者が2007年以降減少傾向にあることを示すグラフも含まれる。大手メディアがWikipediaの負の部分やあまり知られていない内部的な問題について紹介するのは珍しい。CBSの60 Minutesでは最近Wikipediaに好意的な報道をしたばかりだ。Kohs氏は「Wkipediaが『自己修正』しているというのは正しくないことが、合理的な疑いを超えて証明されたと思う」と述べている。
Kohs氏が混入させた偽情報の中には単に数字を変えただけのもののほか、「Inflammation(炎症)」の記事で、炎症による痛みを感じる原因として「bradykinin(ブラジキニン)」や「histamine(ヒスタミン)」といった化学物質が放出され、神経終末を刺激するという記述に対し、化学物質として「rhyolite(流紋岩)」を追加したというものや、「Sagami Railway(相模鉄道)」の記事で砂利輸送のために設立されたという記述に対し、輸送するものとしてトウモロコシとスパイシーな生のエビ(fresh spicy shrimp)を追加したといったものもある。炎症の記事では偽情報が2か月間発見されなかったようだ。