Webユニバーサルデザイン支援ソフト「富士通アクセシビリティ・アシスタンス」が提供終了 26
終了 部門より
富士通から「富士通アクセシビリティ・アシスタンス」として無償で提供されている一連のWebアクセシビリティ診断ツール群が、2013年8月20日で提供を終了する(@ITの記事)。
これらのツールは、 「WebInspector」 「ColorSelector」 「ColorDoctor」 の3つのツール群で構成されており、JIS X 8341-3 高齢者・障害者等配慮設計指針に適合しているかどうかのチェックや、色覚障害のある人には実際にどのようにサイトが見えているのかをシミュレートできるもので、Webのユニバーサルデザインの設計を行う上で非常に便利なものである(/.J記事)。現時点では無償でダウンロード可能なので、もしこれまでこういったユニバーサルデザインについて気にしていなかったWebサイトの設計などを行う可能性がある開発者や発注者、その他関係者は、ぜひ早めにダウンロードしておき、自分がかかわるサイトのチェックを行うようにしてみると良いのではないだろうか。
(続く...)
この提供終了は、とあるWeb制作会社の方から@ITの太田智美氏に届いた一通のメッセージを発端として@ITに記事が掲載され、FacebookやTwittertなどを通じて徐々に知られるようになってきたものである。記事を執筆した太田氏と、当該メッセージを送った方への敬意を表したい。 そしてもちろんこれまでこのような重要なツールを無償で提供してくれていた富士通には、多くの感謝と敬意を表したい。今回の提供終了によって、これまでの富士通の功績は、なんら損なわれるものではない。
この件は、スラドでも取り上げられる事でより多くの人に知られる一助となってほしいと思い、タレこむ事とした。また、ぜひスラドの掲示板としての特性を生かして、このツールに頼らないWebのユニバーサルデザイン確保について、現状何か他に利用できるツールがあるかどうかや、こういった部分に気を付けて設計するべきという資料などがあれば、そういった事についても語ってほしい。
代替手段について (スコア:4, 参考になる)
「富士通アクセシビリティ・アシスタンスが提供終了。感謝と共に代替手段も紹介してみる」 [hyper-text.org]という記事がありました。
上記記事では、代替手段として
総務省「miChecker」 [soumu.go.jp]
Infoaxia「カラー・コントラスト・アナライザー 2013J」 [weba11y.jp]
などが挙げられています。
Re:代替手段について (スコア:3, 参考になる)
一部の機種に限られますが、EIZOの製品にはモニタ側で色覚シミュレーションを行えるものがあります。
色覚シミュレーションソフトウェア UniColor Pro [eizo.co.jp]
モニタのカラーマネジメント機能を利用して表示状態を切り替えているようで、個別のソフトに依存せず動画にも対応しているようです。
私は対応モニタは持っているものの、色覚シミュレーション機能はほとんど使用したことが無いため、詳細な使い勝手等が説明できませんが。
色のみで状態を表すのは危険 (スコア:4, 興味深い)
過去記事のコメント
http://srad.jp/comments.pl?sid=159525&cid=501287 [srad.jp]
機械物の設計者の方にお願いがあります。
2色LEDで、緑点等と赤点等で状態を表示するようなインジケータは、
強度の色盲者にはほとんど意味がありません。
しかも往々にしてそのインジケータは、フェイタルな状況表示に
(安全・危険とか)利用されています。
改めて身の回りの機械を見てみると
ほぼ10年たった今でもこのようなインジケータはまだまだ多いですね。
Re:色のみで状態を表すのは危険 (スコア:5, 興味深い)
ニンテンドーDS Liteの頃は電源のLEDが緑と赤で切り替わるタイプで、バッテリーが少なくなると赤くなる(らしい)のですが、赤緑色盲の私には判別できず、気づかないうちに突然バッテリーが切れるという悲劇が何度もありました。
現在の3DSでは青色LEDになった上に、バッテリー警告は点滅になったのでとてもたすかっています。
多分色盲者への配慮でしょう。もっとこういうのが広がって欲しいものです。
Re: (スコア:0)
色盲は6種(赤、緑、青、緑青、赤青、赤緑)ありますよね。
一番多い色盲が青の判別が可能だといっても、残りの色盲の事を考えると青に変えた事は色盲への配慮と一概には言えないでしょう。
むしろ、青色LEDは人によっては異様に眩しく見えるのである種の改悪です。
点滅とかを組み入れてるのは評価できるでしょうけど、色変更は色盲への配慮としては評価できる気がしません…
Re: (スコア:0)
「LEDが点いてるかどうかが分からない」というのは色盲というレベルじゃありませんね。
あと、光が眩しすぎるならシールかテープを貼ればいいですよ。
Re: (スコア:0)
錐体全滅もあるので7種ですね。
Re:色のみで状態を表すのは危険 (スコア:3, 参考になる)
お、ここにぶら下げよう。
このストーリーを読んでちょっとWebをぶらぶらして見つけた記事
色覚障がいの方が作ったサイト【We are Colorblind】が勉強になる [webcreatorbox.com]で紹介されている、
We are Colorblind [wearecolorblind.com]のExampleのBBC Online Football Tables [wearecolorblind.com]が、分かりやすいBad例ですね。
ページ中段のBarclays Premier Leagure Table上でマウスを動かすと、テーブル右側のインジケータは見事に読めなくなっています。まあ情報の重要度もあるでしょうが。
良い例としてはWordfeud [wearecolorblind.com]があります。アイコンにするだけでも全く違いそうです。
#個人的にはこのタレコミにスコアをあげたい
Re:色のみで状態を表すのは危険 (スコア:2, 興味深い)
インジケータは知りませんが、地上デジタル放送対応TVのリモコンは考慮されています 「青」 「赤」 「緑」 「黄」 と漢字でも表記されています
こういった配慮はありがたい それと 地下鉄なんかの路線図もここ10年ぐらい前からパターンや記号を駆使したものになりつつ有ります
Re:色のみで状態を表すのは危険 (スコア:2, 参考になる)
そのコメントに書かれているようにコストの問題もありますし、
青色だとVfが3V強なので最近の3.3Vな回路だと昇圧が要ったりで少々面倒なのです(これもコストとも言えますが)。
入手性も二色だと赤/黄緑が圧倒的に良いですし。
赤/黄緑は私も避けてほしいのですが、では何色がいいのかと言うとこれもなかなか難しくて。
赤(660) … 赤色盲には見えない
赤(625) … 赤緑色弱/色盲で橙・黄・黄緑との識別に難あり
橙(605) … 赤緑色弱/色盲で(以下略)
黄(590) … 赤緑色弱/色盲で(以下略)
黄緑(565) … 赤緑色弱/色盲で(以下略)
緑(525) … 比較的に安パイ。でもいつのまにか安い黄緑に勝手に設計が変えられてしまう orz
青緑(505) … 入手性が悪い目。青とも緑とも表現されるため、電話口等での説明に問題あり。
青(470) … 青黄色盲で難あり?
紫(405) … 紫外線領域に入りかけで目によろしくない、あまり明るく見えない
白 … 青黄色盲で黄と識別に難あり?
触ってみた感じ (スコア:2)
WebInspector: ページによっては誤検出が多い、作るの難しいから仕方が無いかな。
ColorSelector: 適切な色をプログラム側で提案してほしい。
ColorDoctor: 行列を掛けるから仕方が無いのだけど、重すぎる。ブラウザモードは一々スクリプトエラーを吐いてうざい。
Re:触ってみた感じ (スコア:2)
ColorDoctor、Aeroテーマ以外の視覚効果にしたら軽くなった。
#Aeroだと取り込む際の負荷が高いのを失念していた
Re:触ってみた感じ (スコア:2)
#正しくは『Aeroだと取り込む際に時間が多く掛かる』だった、負荷はAero無しと同程度
#ちょっと書いて確かめてみた
Re:触ってみた感じ (スコア:2)
#勘違い
#何故か『Aero 且つ 変換フィルタグレースケール』と『非Aero 且つ 変換フィルタ第一色覚(赤)など』の比較だけをしていた
#グレースケールだけ軽い、どんなプログラム書いているんだコレ...
/(^o^)\
Re: (スコア:0)
きっとこういうクレクレ君的なユーザーが多くて面倒になったんだろうな
Re: (スコア:0)
かといってこの手のツールで利用者からのフィードバックが全くないのも問題。
#そもそもだたのクレクレなら「検討します」で流すだけなんじゃ。
Re: (スコア:0)
クレーマーってうるさいですよね
参考になった (スコア:1)
Wikipediaの記事を書いてたときに、情報を色分けしたくなったのですが、色覚異常がある人が
見づらいのではないかと気になって調べていてこのソフトにたどりつきました。
手軽に扱えるわかりやすいインターフェースで、とても参考になりました。
他の人にはこのように世界が見えているのか、という驚きという点でも興味深いソフトです。
デザインの世界でどの程度認識・対処されているのかわかりませんが、男性の5%が色覚異常 [shiga-med.ac.jp]らしいとのことなので、
慈善事業ではないので廃止されるのはしょうがないですが、このようなソフトが無くなるのは惜しいですね。
Re:参考になった (スコア:2)
デザインの世界じゃ常識じゃないかな? 同人で必要だからちょいちょい勉強したような私ですら知ってるぐらいで。
PhotoshopにもCS4からCUD支援機能がついてる。
http://www.adobe.com/jp/joc/pscs4/showcase/vol02/tips/ [adobe.com]
緑色弱ですが、 (スコア:1)
> 色覚障害のある人には実際にどのようにサイトが見えているのか
というのは正しくないのです。
"(今ディスプレイに映っているものの)どこが色覚障害者にとって区別しにくいか"
を見せているのです。
# どう見えるのか、はRGBなりCMYKなりにした時点でもう処理出来ません。
# 波長-強度の関数(なんて言ったかな、失念)からなら何とかなるんじゃないかな、とは思うのですが。
Re: (スコア:0)
現物の色に対する話が混ざってませんか、それ。
RGBなりCMYKなりに変換するのはカメラで撮影する段階です。
「対象とする錐体の応答を黒と同じ値に落とす色に変換する」は無理でも、
対象とする錐体の応答がすべての色で概ね同じとなる(画像としてその錐体が返す情報量がバックグラウンド値のみになる)ならRGBでも不可能ではないかと。
クオリアまで一致させようだなんてのはおこがましいと言うか色盲無い同士でも無理ですし、過去の経験情報や対象錐体のバックグラウンド値とかは言っても仕方ない気がします。
手抜きして錐体の応答特性無視した超簡易フィルタで済ませたり、「緑が見えない」見たいな論外な解説してるケースに突っ込むほうが建設的かと。
誕生のいきさつや終了の理由 (スコア:0)
過去タレコミとか見てみたけれど、どのような経緯や枠組みでこれが生まれのか、また止める理由は何かとかを取材した記事はないものでしょうかね。
止める理由の想像 (スコア:2)
止める理由の想像
-JIS X 8341-3の新版が近々でる。(2003→2010→2013?)
-Java6サポート終了に伴う動作保障環境の消滅
-WindowsXPサポート終了に伴う動作保障環境の消滅
Re: (スコア:0)
JIS 2010 対応の富士通アクセシビリティエンジンを積んだ某 CMS を使っているけど、アクセシビリティチェック機能が誤検知続出で、サポート窓口にレポートしても支離滅裂な理由を付けて直そうとしない糞対応なので、開発・メンテできる技術者がいなくなってしまった等の内部事情と想像
こういうことこそ国家事業でやればいいのに (スコア:0)
もしかしたらすでにやってるのかな?
Re:こういうことこそ国家事業でやればいいのに (スコア:1)
もしかしたらすでにやってるのかな?
国家事業ではないですが、
産学連携で色覚異常を模擬するメガネやカメラにつけるフィルタレンズを作ってるみたいです。
http://www.variantor.com/jp/index.php?FrontPage [variantor.com]
お値段2万〜4万なので安くはないですが、利便性は良さそうです。
#2443606 にあった、シミュレーションモードを持ったディスプレイのほうが使い勝手は良さそうですが、
画面に表示できるものに限らず、電光掲示板や建物の案内表示に問題がないかを肉眼で確認やカメラで撮影できるのが利点ですね。
中の人の講義を受けたことがあるのですが、
「動画や画像を変換するソフトを作ったらお役所が使い方がわからんので役に立たなかった。
メガネやレンズにすることで、やっと使ってもらえるようになった(要約)」
と言っておられました。
あと同じく講義の話で興味深かったのが、以下の話でした。
「子供の地図帳の色使いが悪く、地図が読めなくて授業についていけなかったので学校に言ってもとりあってもらえなかった。
親御さんが機転を利かして、学校ではなく使っている地図帳の出版会社に行ったところ、色使いを改めた版を作ってもらえた」
学校には理解してもらえなかったという話です。
また、同じく講義の話で、うろ覚えですが、こんな話もありました。
「ある市が公共事業でカラフルな歩道(?)を作ろうとしていたので、『色覚異常について考慮しているか』と聞いたところ、『なにそれ』的な反応が返ってきた」
...といった感じで、よほど上の人が大号令を発しない限りはなかなか浸透しないようです。
もっとも上記の話は5年ほど前に聞いた話で、今現在はどうかわかりません。良くなっているといいな。
男性で22人に1人(欧米はもうちょっと比率が高い)という話を聞いたのもこの講義でした。
女性に発現することは少ないが、形質は高い確率で遺伝するとのことです。
# と書くと、結婚差別や子作りで心配される人がいそうですが、知能にも生活にも影響はないです。念の為。
んで、確かに比率のわりには対応が浸透していない印象があります。
カラーデザインに携わるすべての人に知っておいてほしいですね。
カラーデザインの資格試験でぐぐったらこんなのでてきましたけど、色覚異常について触れているかどうかは不明です。。
http://icd-color.com/colordesigntest/about/ [icd-color.com]
職業についてですが、
運転手や公務員は昔にくらべて現在は制限が緩くなっている、もしくは撤廃されたそうです。
航空機のパイロットはやっぱり厳しいです。でも、そもそも通常視力の基準が厳しい職業なのでそういうことなのでしょう。