米政府機関の一時閉鎖が科学分野に与えた影響 29
もし日本だったら無給で働きそうである 部門より
米国では議会内での対立による財政混乱問題により政府機関の一時的な閉鎖・活動停止が起こったが、これによって科学技術や研究開発に対し大きな損害が出ているという(The guardian、Voice of America、本家/.)。
たとえば、NASAでハッブル望遠鏡の後継機の開発を行っているTom Greene氏は、後継機のジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は開発スケジュールがタイトで合ったにもかかわらず大きな遅れが出たと述べている。その損害額は1日あたりの100万ドルにおよび、開発で計画されていたテストのいくつかをキャンセルする可能性があるという。これにより、同望遠鏡はトラブルを抱える可能性があると指摘している。
これは問題のごく一部に過ぎないそうで、政府機関の閉鎖に伴って、関連機関のウェブサイトが使用できなくなり、電子メールの受け取りができなくなった科学者もいるという。同僚と連絡を取ることができず、またミーティング等へも参加できなくなったそうだ。このほかにも環境、食品安全プログラムや南極大陸で行われる予定の研究などが中断に追い込まれたり、実質的に縮小するハメになったようだ。
科学者連盟センターのAndrew Rosenberg氏は、この問題は単に人々が2、3週間仕事をしないと言うことではなく、研究者たちが貴重なデータを集めるためのチャンスを喪失したのだという。予算が戻って仕事に戻ったとしても、長期的な悪影響が出るだろうとしている。